会社設立日は2018年6月であるが、会社を辞めて独立起業しようと考えたのはもっとその数年前である。
しかしながら結局起業に至るまでは数年間の日々を要した。しかも50代での起業なので相当な覚悟が必要だったのだ。
さて、その前に当時在籍していた会社の不満点を書こうと思う(笑)
- 社長交代により方向性が変わった
- 低賃金(業界自体がそもそも低年収)
- サービス残業
- 社長の考え方を強制させられる
- 不条理な事が続いた
まあ、いわゆるブラック企業である。
今なら「さっさと辞めちゃえ」と思えるけど当時は日々相当悩んだ。
自分はその仕事が好きだったし、それなりの役職にも就いていたのである程度の権限も持っていた。とは言え、せいぜい数十人の中小企業である。待遇面・定年後の将来などの主導権は社長にあるわけだ。
これで良いのか?
他人に主導権を握られた人生で良いの?
これが自分の人生で良い訳が無い!!!
と強く思い始めるのは時間の問題だった。
そんなこんなで独立起業への緻密な戦略を練った訳である。
起業するにあたっての前提条件は・・・
- 自分が好きな仕事である事
- 将来性の高い職種である事
- 一人で起業出来る職種である事
- 身体的能力が衰えても継続出来る職種である事
- 今と異なる業種である事
このような仕事であれば楽しみながら継続出来るし、苦労も楽しさに変えられると思ったわけだ。
実際、アプリ・システム開発提供としての起業後は想像もしないような出来事ばかりであった。なんと言っても今までと全く違う業界。そこに50代にして入ると言うある意味無謀とも言える行動。その業界の内部など知る由も無い。勿論、事前にリサーチはしたけど、外から見るのと中から見るのでは全く違う。
とは言え、元々情報処理の専門学校に行ってたし(一年で中退だけど・・・)相当早くにプログラミングはやっていたし、各企業が徐々に自社HPを作り始めていた頃、すでに個人HPを作成していたり、会社の諸々システムも自分が構築したり・・・まあそれなりのスキルは持っていたけど、趣味半分という感じだった。
(そんな自分の初ソフトは20代の頃だ。ボタンクリックでロケットが発射され、それが女性の股間に命中するというソフト。これを会社の女性スタッフに見せていた。今ならセクハラ案件で訴えられてもおかしくないレベル。まあ昭和だし時効なので許してください。)
まあ、そんなこんなでまずは創業支援センターへ通う。東京都主催のものや多摩市主催のもの又はオンラインセミナーなど。
ほぼ全部無料だけど、それぞれの背景を読まなければならない。
無料ほど怖いものは無いのだ。
まず東京都に限らず国として創業・起業を支援している。それは何故か?日本は労働力の流動性が極端に低く、それが賃金上昇を妨げている要因なので、転職や創業で労働力の流動性を高める必要があるのだ。そうしないと他国に負けてしまう。現にITエンジニアの海外流出が止まらない。だってメチャ高待遇なんだもん。そりゃある程度優秀なエンジニアは行っちゃうよ。結果、国内では人材不足という状況に陥っている。
最近になってようやく転職市場自体が活性化してきているけど、まあ20年遅い。
話を戻すと、国としては創業・起業を支援しているけど、ではパーソナルな担当者はどうなのか?センターへ相談に行くと相談担当者がつく。ここが問題である。担当者は都や市の公務員だったり銀行から派遣された職員だったりする。その目的は相談者に起業してもらい、銀行から借り入れをしてもらい返済してもらうためだ。勿論、継続的に成功して欲しいと真摯に対応されている担当者も居ると思う。だけども世の中にはポジショントークというものがある。これを十分前提に置きつつ話を聞いた方が良い。勿論公的な機関で行なっていることなので詐欺では無いけどセンターの役目としてはそんなところなのだ。担当が上長に評価されるのは起業数/相談者の割合だけだ。100人相談者が居て、10人実際に起業しました。成功率10%です。とこんな感じ。3年後5年後の売上や進捗状況など把握しない。(それでも多摩市の場合、3年間は連絡等のやり取りがある)
だからと言って、創業支援がダメかと言うとそのような事は無い。
実際、私の場合、多摩市の創業支援は非常に役に立ったし担当者さんにも真摯に対応していただいた。厳しい指摘も受けたし、ダメ出しももらった。だから、こちらもそれに負けじと頑張った。今現在、何とか継続出来ているのは創業支援のおかげだと思っている。よって、多摩市指定の銀行以外に浮気はしていないし出来るだけ多摩市で消費・納税したいと思っている。
さて、ここまで書けば予想つくと思うけど、最終的には人対人のコミュニケーション。それに必要なのは熱意と冷静さだ。耳障りの良い言葉などに惑わされず、最終的に責任を取るのは自分自身しかない。ということを肝に銘じておく事が大切。
な~んて今だからこんな事言えるけど当時の自分は舞い上がっていたし絶対上手くいくと思っていたのも事実。
逆に言えばそれくらいの気持ちが無いと起業は難しいとも言える。ある意味バカになれるかどうか?って面があるのも確か。
ここまでかなり端折って書いたけど、色々なフランチャイズも検討したし、その説明会にも足繁く通った。
フランチャイズ方式は脱サラの人には人気だ。ノウハウを享受出来るからね。だけど殆どのケースで言えることだけど儲かるのはフランチャイズ本部だ。本部からすればフランチャイズ店がダメになっても新規フランチャイズ店が出来るだけなので本部の痛手はほぼ無い(極論だけどね)
そこを念頭に入れて検討しなければならない。
いずれにしても自分自身の気持ち・熱意があれば苦労も苦労では無いし、逆に楽しめるようになる。またそうでなければ起業する意味が無い。とも言えるね。まあ人それぞれだけど。